注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
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 一昨日の日記で書いた架空時代設定の補足っぽいの。
 アクエンアテンは分解するとアク・エン=アテンで、アテンの栄光とかそういう意味です。彼が作った都がテル・エル=アマルナとして教科書とかによく出てくる都で、古代名をアケト・アテン(アケタテン)といいます。セネトに出した旧都はこれです。
 次のツタンカーメンは分解するとトゥトゥ・アンク=アメンでアメンの生ける姿という意味になるのですが、彼は元々トゥトゥ・アンク=アテン(ツタンカーテン)という名でした。初めはアクエンアテン同様にアテン一神を信仰しアケタテンに住んでいたのですが、若くしてというより幼くして即位し、取り入ってきたアメンの神官たちに流されるようにして都をテーベ(ルクソール)に戻してしまいました。テーベの古代名はウアセトで、セネトに出したアメン=ヘテプの王都はここです。
 因みに取り入ってきたアメンの神官たちと書きましたが、神官たち以外の民衆も、アテン信仰が旧来の慣わし等を排斥していたため、馴染みの有る元の信仰の方が良かったという態度でした。アクエンアテンがアテン一神教を立ち上げたのは力を持ち過ぎたアメン神官の地位を落とすためでしたが、ちょっと色々改革をし過ぎて民衆が付いてこれなくなっちゃった感じですね。
 ツタンカーメンは若くして冥界へ行ってしまい、原因は暗殺だの事故だの病気だの言われていますが、最もありそうなのは病気のようです。遺伝的に身体の強くない家系だったっぽいとか。しかし暗殺説が出るくらいには不可思議なことが即位や次期王を決めるにあたってはあったのでした。アクエンアテンの王妃ネフェルティティは、元ミタンニ(古代エジプト名メチェン)の王女でアクエンアテンの前の王アメンヘテプ3世の妻の一人でしたが、彼女はアテンの強い信仰者でした。一度王の側室となり王家のものとなった彼女はアメンヘテプ3世が冥界に下ったあとも夫を王として即位させる権限を持っていて、その権限でアクエンアテンを即位させたことになります。そしてアクエンアテンの冥界行き後にも、アメン派が力を増すのを抑えるため再び夫を選び直そうとしました。
 ネフェルティティが選んだ相手はヒッタイト(ケタ)の王子で、当時エジプトとケタは非常に関係が悪く、というよりエジプトの領土の一部をケタの王に制圧されたばかりだったため、彼女の周囲は勿論、ケタの王や王子も驚いたようです。しかしケタ側ではなんとか話が纏まり王子がエジプトにやってくることになったのですが、彼はエジプトに入る前国境付近で何ものかの集団に襲われて死亡してしまいます。何ものかは、一説には盗賊団、また別の説では国境警備軍の一隊だったと言われています。
 仕方なくネフェルティティはアクエンアテンと自分の娘であり数少ない側室の一人でもあった王家の娘アンケセパーテンと自分の元で育った王子ツタンカーテンを結婚させ、王妃としてではなく影から政略を操ろうとしました。しかしまぁ都がウアセトに戻ったのを見れば分かる通りその試みは失敗し失意の内にネフェルティティは死亡、ツタンカーメンの治世も長くは無く、残されたアンケセパーテン(この時にはアンケセナーメンと改名済み)はネフェルティティ同様に三人目の夫を選び直そうとして、そしてネフェルティティ同様に失敗したのではないかと言われたりしています。彼女はツタンカーメン派であった老神官アイと婚姻を結んだのではないかと推測されますが、アイは老齢のため四年の治世で冥界へ下ってしまいます。
 その後、ネフェルティティの妹という王家の女ではあるものの王家の女とするのが非常に微妙なレベルの王族と結婚していた市井出身の将軍ホルエムヘブがごり押し的に王位に就きます。アンケセナーメンが存命なら夫を選び直すことが出来た筈ですが、彼女は若くして冥界へ立っていました。
 ホルエムヘブは反アテンの人で、エジプトを急速にアメン信仰に戻しています。アイの墓は滅茶苦茶に壊しました。一方でツタンカーメンの墓には警護隊をつけたとされます。因みに彼自身の墓は二箇所にあり、一つは将軍であった頃に用意したもの、もう一つは王となってから用意したものと言われています。ホルエムヘブの妻は前述のネフェルティティの妹、つまり異国出身の女ですが、この女との間に彼は子供をもうけませんでした。代わりに彼の後を継いだのは、異国の血を引くものの彼の気に入りの軍人であったセティの息子であり、本人もまた有能な宰相だったパラメセスです。
 そんな事情から、実は物凄い反アテン反異国だったホルエムヘブとそうでもなかったホルエムヘブと、二人いたら面白いのになと思いました。で、架空時代はその二人のホルエムヘブの間に設定なのでした。
 ところでホルエムヘブは分解するとホル=エム・ヘブで、ホルスの歓喜するものとかホルスは歓喜するとかそういう意味です。王権の神の歓喜なんて名前、実際に王権を取っちゃったのを思えば、ご大層だった筈がぴったりになっちゃって怖い感じですね。

 そういえば私はセネトで割と反アメンみたいな書き方をしてますが、文庫の後書きでもタロット解説でもアクエンアテンがアメンの力を抑えようとしたのを是としているようなので、公式の見解に倣っておこうかなと思ってそんな感じにしてあります。あと、現代人な私はエジプト衰退の一端がアメン神官団にあるのを知ってるので、あとあとそこに繋がるのを意識してたりもします。
 文庫の後書きやタロット解説はさり気無く古代エジプトへの見解が載ってて面白いですよね。結構読み返してます。


 拍手有り難う御座いました! 史実も萌えですよねーv
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