注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
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※七夕企画です。詳細は7/6付けの記事をご覧下さい。


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「あ、ひょっとして雨?」
 最後のイベント会場に向かい、車両通行禁止の道を通るべく車を降りたモクバたちは、その降りようとした姿勢のまま暫し固まった。
「あー、雨ですね。小雨の内に急ぎましょう。会場は屋内ですから」
 ぽつぽつと地面の色が変わり始める。本格的に振り出しそうな気配に、通行人たちも慌て出し、そして残念そうに空を見上げるものがちらほらと現れた。七夕の日の雨は、得てして歓迎されないものだ。
「常設のかささぎ橋があるなら逢えないってことは無いのかなぁ」
「どうでしょう。取り合えず、天津橋では毎晩逢ってるみたいですが」
 指差された方をモクバが見る。前方の橋は、欄干の一部にレリーフが埋め込まれていた。小さなレリーフに付いたイルミネーションが、片や織姫、片や彦星を浮かび上がらせる。
「これ、毎晩なの? 今日だから特別にイルミネーションが作動してるんじゃなくて?」
「毎晩ですよ。有り難味減りますよね」
「減るねー。まぁ、毎日会えるのが一番には決まってるんだけど」
 もし現実に「年に一度しか逢うことを認めない」などと言われたら、モクバは全力で拒否し何とかその申し付けを撤回させようとするだろう。たった一日逢えないだけでも一日中早く逢いたいと考え続ける羽目になるのだ。一年など長過ぎる。
「ああ、少し走った方がいいかもしれませんね」
 会場はすぐ近くにある。ぽつぽつと雨粒の降る間隔が短くなりつつある中、モクバたちは走って橋を渡り行った。
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