注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
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※七夕企画です。詳細は7/6付けの記事をご覧下さい。


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「それにしても雨の七夕にかささぎ橋で落ち合うとは、偶然にしては上出来だったな」
 シャワールームから出てきたモクバに、瀬人はそう声を掛けた。傘など気休めにもならないような雨の中ずぶ濡れになってホテルへ入った時には考える余裕も無かったが、少し身体を温め人心地を付けてみれば、実に七夕らしい再会である。
「織姫と彦星みたい。もう他人の願いを叶えてる暇は無いけど」
「オレは、お前の願いを叶えてやったがな」
 瀬人は相変わらず得意気である。モクバは笑って、それから、そうだ、と手を打った。
「それで思い出したけど、短冊に書いてたんだよ。今日中に逢えますようにって」
 雨は酷かったが織姫と彦星も無事に逢えたらしい。常設のかささぎ橋がある以上、逢えるかどうかの心配は無用だったかもしれないが。何にせよ、願いを叶えてくれたことに感謝するのは変わらない。
「あ、でも、もう一つ願いごとあったんだ」
「もう一つ?」
「うん。兄サマにしか叶えられないから兄サマが叶えてね」
 場合による、と堅実な答を返した瀬人の隣へ腰掛けて、モクバは今日の本題を切り出した。
「誕生日。おめでとうって言ってよ」
 朝から――正確には数日前から――忙しく慌しくしていて、その言葉を聞きそびれていたのだ。
「言ってなかったか」
「うん」
「そうか。……おめでとう」
 もうじき今日も終わる頃、漸く望み通りの誕生日を迎えて、モクバは上機嫌に礼を言った。


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 めでたし、めでたし。
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