注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
アパートの階段を上ると、どこの家からか焼き魚の匂いが漂ってきた。腹減ったな、晩飯は何にしようか。もう一つ階段を上ると今度はカレーだ。あー、カレーいいよなぁ。カレーにすっかなぁ。海馬が嫌がんなきゃだけど。
思いながらドアチャイムを鳴らす。小さな足音が聞こえて、それからギィと煩いドアが開いた。開いて、カレーの匂いが一気に噴き出してきた。
「ちょうどいい時間に帰ってきたな」
「あ、うん。てか、え、お前何その格好」
濃紺のエプロン。まるで料理でもしてたかのような出で立ちだ。いや、かのような、じゃなくてしてたのか? だって海馬からカレーの匂いがする。
リビングに上がって台所を見ると、溜めてた筈の洗いものが片付いてて、代わりに、鍋が一つコンロに掛けられていた。
「マジで? お前料理できたの?」
海馬の屋敷じゃコックさんが働いてるし、うちに来た時はいつもオレが作るの見てるだけだったのに。意外過ぎてマジでを連発してると、海馬はぶすっとしながら、オレを誰だと思っていると胸を張った。
「誰って、海馬だろぉ」
「今はな」
だからビックリしてんだという言葉は口の中で消えた。
「あ、あー、そっか、お前も一時期父子家庭」
「解ったらさっさと手を洗って席に着け。折角出来上がったところなのに冷めるだろうが」
急かされて、冷たい水で手を洗う。凍えそうになりながらリビングへ戻ると、テーブルの上にカレーの器が二つ並んでいた。白いご飯と極々普通の庶民派カレー。専門店で出てくるようなのじゃなくて、海馬んトコのコックさんが作るようなのでもなくて、オレが普段作るようなカレーだ。
椅子に座って海馬を待つ。残念ながらエプロンを脱いでしまった海馬は、これまた庶民派なサラダを置くと、オレの正面の席に座った。
「お前ホントになんでもできんだなー。へへ、いただきます」
「言っておくが、料理なんて久し振りに作ったんだ。味の保証は無いからな。味見はしたが、し過ぎて自分ではもうわけが解らん」
ほわんと湯気を立てるカレーと崩したご飯をスプーンに乗せる。一度息を吹き掛けて、ぱくりとそれを口に入れた。
「……辛過ぎたか?」
「え? なんで? 美味いよコレ」
辛さだって普通だ。多分、中辛くらい。なんでそんなコト聞くんだと思ってたら、向かいからハンカチを持った海馬の手が近付いてきて、オレを目隠し状態にした。じわりと押し当てられた場所が熱を発する。ああ、オレ泣いてんのか。格好悪ぃな、クソ。
「ごめん、なんかちょっとセンチメンタルな気分に」
家に帰ったら電気が点いててメシが出来てて、早く手を洗いなさいと怒られて、テーブル囲んであったかい料理を食うんだ。それが日常だったのは遠い昔だった筈なのに、こんなところで再現されたりするから。
「冷める前に泣きやめよ」
そう言いながら海馬が頭なんか撫でてくるもんだから、オレの涙腺は決壊しました。カレー冷めたらお前の所為なんだから温め直せよコノヤロー。
思いながらドアチャイムを鳴らす。小さな足音が聞こえて、それからギィと煩いドアが開いた。開いて、カレーの匂いが一気に噴き出してきた。
「ちょうどいい時間に帰ってきたな」
「あ、うん。てか、え、お前何その格好」
濃紺のエプロン。まるで料理でもしてたかのような出で立ちだ。いや、かのような、じゃなくてしてたのか? だって海馬からカレーの匂いがする。
リビングに上がって台所を見ると、溜めてた筈の洗いものが片付いてて、代わりに、鍋が一つコンロに掛けられていた。
「マジで? お前料理できたの?」
海馬の屋敷じゃコックさんが働いてるし、うちに来た時はいつもオレが作るの見てるだけだったのに。意外過ぎてマジでを連発してると、海馬はぶすっとしながら、オレを誰だと思っていると胸を張った。
「誰って、海馬だろぉ」
「今はな」
だからビックリしてんだという言葉は口の中で消えた。
「あ、あー、そっか、お前も一時期父子家庭」
「解ったらさっさと手を洗って席に着け。折角出来上がったところなのに冷めるだろうが」
急かされて、冷たい水で手を洗う。凍えそうになりながらリビングへ戻ると、テーブルの上にカレーの器が二つ並んでいた。白いご飯と極々普通の庶民派カレー。専門店で出てくるようなのじゃなくて、海馬んトコのコックさんが作るようなのでもなくて、オレが普段作るようなカレーだ。
椅子に座って海馬を待つ。残念ながらエプロンを脱いでしまった海馬は、これまた庶民派なサラダを置くと、オレの正面の席に座った。
「お前ホントになんでもできんだなー。へへ、いただきます」
「言っておくが、料理なんて久し振りに作ったんだ。味の保証は無いからな。味見はしたが、し過ぎて自分ではもうわけが解らん」
ほわんと湯気を立てるカレーと崩したご飯をスプーンに乗せる。一度息を吹き掛けて、ぱくりとそれを口に入れた。
「……辛過ぎたか?」
「え? なんで? 美味いよコレ」
辛さだって普通だ。多分、中辛くらい。なんでそんなコト聞くんだと思ってたら、向かいからハンカチを持った海馬の手が近付いてきて、オレを目隠し状態にした。じわりと押し当てられた場所が熱を発する。ああ、オレ泣いてんのか。格好悪ぃな、クソ。
「ごめん、なんかちょっとセンチメンタルな気分に」
家に帰ったら電気が点いててメシが出来てて、早く手を洗いなさいと怒られて、テーブル囲んであったかい料理を食うんだ。それが日常だったのは遠い昔だった筈なのに、こんなところで再現されたりするから。
「冷める前に泣きやめよ」
そう言いながら海馬が頭なんか撫でてくるもんだから、オレの涙腺は決壊しました。カレー冷めたらお前の所為なんだから温め直せよコノヤロー。
Archives
2015/02
(1)
2014/03 (1)
2011/10 (1)
2011/09 (1)
2011/07 (1)
2011/06 (1)
2011/05 (1)
2011/04 (7)
2011/03 (31)
2011/02 (28)
2011/01 (35)
2010/12 (56)
2010/11 (31)
2010/10 (33)
2010/09 (31)
2010/08 (33)
2010/07 (32)
2010/06 (30)
2010/05 (34)
2010/04 (32)
2010/03 (28)
2010/02 (31)
2010/01 (45)
2009/12 (38)
2009/11 (30)
2009/10 (33)
2009/09 (35)
2009/08 (33)
2009/07 (38)
2009/06 (17)
2009/05 (33)
2009/04 (37)
2009/03 (32)
2009/02 (31)
2009/01 (50)
2008/12 (94)
2008/11 (34)
2008/10 (63)
2008/09 (34)
2008/08 (38)
2008/07 (47)
2008/06 (34)
2008/05 (44)
2008/04 (50)
2008/03 (37)
2008/02 (34)
2008/01 (39)
2007/12 (44)
2007/11 (34)
2007/10 (35)
2007/09 (35)
2014/03 (1)
2011/10 (1)
2011/09 (1)
2011/07 (1)
2011/06 (1)
2011/05 (1)
2011/04 (7)
2011/03 (31)
2011/02 (28)
2011/01 (35)
2010/12 (56)
2010/11 (31)
2010/10 (33)
2010/09 (31)
2010/08 (33)
2010/07 (32)
2010/06 (30)
2010/05 (34)
2010/04 (32)
2010/03 (28)
2010/02 (31)
2010/01 (45)
2009/12 (38)
2009/11 (30)
2009/10 (33)
2009/09 (35)
2009/08 (33)
2009/07 (38)
2009/06 (17)
2009/05 (33)
2009/04 (37)
2009/03 (32)
2009/02 (31)
2009/01 (50)
2008/12 (94)
2008/11 (34)
2008/10 (63)
2008/09 (34)
2008/08 (38)
2008/07 (47)
2008/06 (34)
2008/05 (44)
2008/04 (50)
2008/03 (37)
2008/02 (34)
2008/01 (39)
2007/12 (44)
2007/11 (34)
2007/10 (35)
2007/09 (35)
BlogPet
突付くと喋りますが阿呆の子です。