注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
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 クリスマス企画です。初めにクリスマスお知らせをご覧下さい。

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 ある日、選りにも選ってクリスマスの日の前夜に、海馬瀬人は自社工場の事務室に座って忙しくしていた。寒い、霜枯れの目立つ、刺すような冷気の日だった。おまけに靄まで出ていた。彼は廊下で人々が白い息を吐いたり胸元を手で押さえたり少しでも身体を温まらせようと大きな動きで足を動かしたりしながら往来しているのを耳にした。工場の時計はつい先ほど三時のベルを鳴らしたばかりだというのに、どこもかしこももうすっかり暗くなっていた。もっとも、この工場は朝も昼も晩も明るくはなかったのだが。元々採光の良くない立地に、灯りも空調も最低限しか入れていないのだから、この工場はいつでも薄暗く、どんより垂れ下がった雲に何から何まで覆い隠されているようだった。
 海馬瀬人のいる事務室の戸は、工場の生産ラインが正しく稼動しているかどうか見張るために、がらんと寒々しい空間に向かって開け放しになっていた。事務室には申し訳程度の空調が入っていたが、ラインのある空間には申し訳程度よりも更に申し訳程度の、二酸化炭素の排出量削減に配慮し過ぎたかのような空調が動いている程度であった。皆寒いと思っていたが、空調の温度調節パネルは事務室の中にあるので、温度を上げに行くわけにもいかなかった。そんなことをしに行ったら、どんな難癖で首を切られることだろうか。なので労働者は皆、個々人精一杯のウォームビズに励んでいた。
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