注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
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 クリスマス企画です。初めにクリスマスお知らせをご覧下さい。

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 そして、瀬人が目覚めたのは彼の寝台であった。夢を見ていたかのように、間違い無く、彼自身の寝台であった。また、今や時間という概念も彼自身の許へ戻ってきていた。天蓋の外はカーテンの隙間から差し込んでくる光で明るく、朝を迎えていた。瀬人が部屋の時計を見ると、時計の針は十時を少し過ぎたところにあった。普段の彼からすれば非常な寝坊だが、休日の朝にはうってつけの時間である。
「亡霊め。何が次に会う時はお互い鎖の無い状態で、だ。妙なものばかり見せおって」
 寝台を出て、身支度をしながら、瀬人はぶつぶつと文句を言っていた。だが、その声からは、これら不思議な現象が起きる前の陰鬱さがすっかり取り除かれていた。準備が済むと彼は部屋を出、階段を降り、玄関ホールへ向かった。ホールには数人の女中がいて、床をぴかぴかに磨いていた。
「今日は何日だ?」
 瀬人が問うと、驚いた様子で女中は、今日、と手のひらに隠した下で小さく叫んだ。
「何日も何も、二十五日、クリスマスではありませんか」
「クリスマスか」
 なんでもないように言いながら、心の中で、瀬人は胸を撫で下ろした。クリスマス。クリスマスだ。三度の十二時を迎えたが日付は一度しか進んでいない。初めにアテムが言い置いていった通りに!
「どちらへ?」
「少し出てくる。あぁ、そういえば、モクバはどうした?」
「お出掛けになっていらっしゃいます。今日のパーティに呼ぶ方々を直接迎えに行くのだとか。昼にはお客様とお戻りになると」
 女中の答に瀬人は非常に満足した。それは昨日聞いていた話とも、先ほど見せられていた幻影とも辻褄が合っていた。彼はコートを着せられ、マフラーを渡され、防寒の対策を存分に施されて外へ出た。
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