注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
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※クリスマス企画です。先に説明からご覧下さい。


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「遊星。まだ寝ないのか」
 背後から声を掛けられ、遊星は銅線を縒り合わせていた手を止め振り返った。大股に傍へやってきたジャックが、大股なのは遊星が床を物置にしている所為で足場が飛び地になっているからだが、敢えてそうしたとでもいうかのように居丈高な態度で、ずいとマグカップを差し出す。
「何だ」
 縁が欠けたカップからは、もうもうと湯気が立ち昇っている。香りは漂わないが、中に注がれた液体の色を見れば、それが何であるかは明白だ。
「まだ寝ないのか、なんて愚問で、どうせまだ寝ないんだろう。眠気覚ましに飲んでおけ」
「珈琲か」
「賭けデュエルで分捕ってきた。昨日の相手は食品屋ばかりだ」
 カップに口を付け、サテライトの中では高級な部類に入る濃さの珈琲を一口飲み込んで遊星はジャックの格好を見た。珈琲は一人分だが、それもその筈ジャックはもう寝るつもりでいるらしい。味見もしなかったんだろうか、いい珈琲なのに。そう思って、それから遊星は珈琲の出所へ抱くべき疑問に気が付いた。
「珍しいな」
「何がだ」
「ジャックが、ものを賭けるなんて。いつもは金だろ」
 食品屋相手だったと言うのだから、金を得て買ったのではなく初めからそれが賭けの対象だったのだ。遊星の指摘に、ジャックは、あぁ、と何てこと無い事象だとでも言いたげに軽く頷いた。
「お前が一銭の得にもならないことのために三徹してるのと、同じ理由でな」
 遊星の手元には、作り掛けの豆電球が転がっている。
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