注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
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※クリスマス企画です。先に説明からご覧下さい。


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 最初に声を上げたのは、砂場で遊んでいた子供だった。
「カイバーレディだ!」
 それを口火に次々と子供たちが瀬人の周りへ群がってくる。モクバ曰く「正直なんでヒットしてるのか解らない」カイバーレディだが、モデルである瀬人ともども、子供たち及び大きなお友達には人気である。
「あらあら、相変わらず凄いわねぇ、瀬人君は」
「先生」
 子供に追いやられてぽつねんと佇んでいたモクバの横へ、老婦人が並び立った。彼女はここの園長である。ここ数年毎年、かつていた施設を訪れることが、瀬人たちのクリスマス恒例行事となっているのだ。
「子供たち皆、瀬人君が来るの楽しみに――あら? もう瀬人君って呼んじゃ駄目なのかしら。レディ、だものねぇ」
「ボクも、兄と、呼んでますので……」
「あら、それでいいの?」
 呼称には拘ってないみたいです、とモクバが説明する。複雑な瀬人の心理を簡潔に述べれば、ドラァグ・クイーンであれればそれでいい、に近い。元々衣装フェチの気はあった。
 子供たちの中央では、瀬人がせがまれショーの決め台詞を無論演技付きで言い放っている。粉砕玉砕大喝采、この雑魚が豚が負け犬が。正義の味方とも子供向けショーのヒロインとも思えない決め台詞だ。
 正直なんでヒットしてるのか解らない。モクバが会議の度思う言葉が、老婦人の頭の中にも、疑問符を一つ落としていった。
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