注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
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※クリスマス企画です。先に説明からご覧下さい。


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 こういった行事には付きもののケーキが、子供たちの前に並べられた。どれも均等に切り分けられているが、しかしどこか均質でない。いただきます、の挨拶のあと、一人の子供がそれを「お母さんのケーキみたい」と評した。
「これだけの人数分、本当よくやるよ」
「まぁ、一人で作ったわけではないがな。基本は小百合と合作だ」
 料理教室が縁で出来た、数少ない友人の名を瀬人が上げた。瀬人同様ドラァグ・クイーン系統である彼女――旧称彼――は、ちょくちょく海馬邸に来ては瀬人と何ごとかをしている。昨日は、それがケーキ作りだったというわけだ。
「小百合がな、子供たちのところへ持っていくなら肌理が粗くどっしりしたスポンジの方がいいと言ったんだ。あまり高級感に溢れているケーキより、家で作ったり近所の小さな店で買ったようなのの方が、子供の舌には馴染みやすいからと」
「それで普通のショートケーキにしたんだ」
「普通じゃないのは明日用にした」
 明日は海馬邸にて小規模なパーティが催されるのだ。このクリスマスに、瀬人はめいっぱい予定を詰め込んでいた。今日も、このあとはまた移動して、デートらしく二人でクリスマス・マーケットを回ることになっている。おうちクリスマス志向のある発祥地では昨日辺りに閉じられている筈のマーケットだが、童実野町ではクリスマス当日まで開かれていて、デートスポットとしても名高い。
「それでは、そろそろおいとまを」
 時計をちらりと見て瀬人は老婦人にそう告げた。もう帰っちゃうのと騒ぎ出す子供たちにも別れの挨拶をして門へ向かう。婦人が二人を見送った。
「よいクリスマスを。いつでも、また来てちょうだい」
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