注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
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※クリスマス企画です。先に説明からご覧下さい。


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「これ、いつ終わんの?」
 城之内の問い掛けに、海馬はポケットから懐中時計を出し時間を見た。
「七時だったかな。まぁ、そろそろ抜けてもいい頃合だけど」
 これ、とは海馬コーポレーションとも関わりのある企業社長主催によるクリスマスパーティである。始めこそビュッフェテーブルの料理たちに舌鼓を打っていた城之内だが、腹が膨れればもう企業パーティなど退屈なだけだった。おまけに周囲の目はどう足掻いても城之内を海馬の飼い犬程度にしか見ていない。良くて奇人社長のヒモだ。――何も良くないが、人扱いな点ではまだマシだろう。
「晩御飯は遅くなると思うけど、お腹は充分に膨れてるかい?」
「おーよ」
「じゃあもう出ようか。主催者どこにいるかな」
 辺りを見回す海馬より、城之内が先に気付いた。あのオッサンだろ、と行儀悪く顎で指す。
「あぁ本当だ。じゃ、ちょっと挨拶してくるから待っててね」
 言い置いて、海馬は男の許へ向かっていった。気付いた男が、どうかされましたかと主催らしい口振りで聞く。
「このあと予定があるもので、名残惜しいですがボクはこの辺りで。最後に挨拶をと」
「おぉ、それはそれは、わざわざ合間を縫ってお越し頂き有り難う御座いました。このあとはどちらへ?」
「プライベートでクリスマス・オペラを見に。では、失礼。よきクリスマスと新年を」
 無論、次の予定がオペラだなど、城之内は聞いていない。そしてそんな高尚な趣味も持ち合わせていない。多分、城之内を楽しませようというのではなく、贔屓の一座が来たか演目をするかで海馬が見たいだけなのだ。連れ回される飼い犬もしくは色々得る代わりに相手を満足させるヒモという人々の感想は、あながち間違ってもいないのだった。
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