注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
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※クリスマス企画です。先に説明からご覧下さい。


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 ヘリで近くへ乗り付けると、劇場の周りには先程のパーティよりも更に着飾った人々が溢れ返っていた。色取り取りのドレスやタキシードのアクセントに、ここが日本かよと城之内は目を剥いている。
「ちょっと、どこ行くのさ」
「どこって、入り口あっちだろ」
「あっちは一般席。ボクらはVIPシート。入り口も別」
 こっち、と関係者用の札が掛かった通路へ海馬が進んでいく。カウンターでチケットを出すと、応対の男がパンフレットやクリスマスカードなど一式を海馬に渡した。更に海馬はそれを城之内に渡す。
「こんなトコでまで特別待遇かよ。社長さんはすげーなー」
「これはKCと関係無いよ。昼間のクレジットあっただろ、あれの優待制度」
「ブラックカードのお客様は特別に、って? パンフレット英語だしよ……」
 席に着き、城之内はクリスマス・オペラのパンフレットを捲った。全く読んでいないことを示すように、ページはぱらぱらと高速に移動している。英語じゃなくてドイツ語なんだけどね、と、海馬は心の中で小馬鹿にしながらそれを取り上げた。
「あ」
「キミでも解るように説明しておいてあげるよ。ヘンゼル、グレーテル、父、母、魔女、妖精たち。主な舞台は森とお菓子の家」
 海馬が役者紹介や演出説明の写真を次々に指し示していく。途中で、童話じゃんと城之内が口を挟んだ。
「そう。ただし、原典と違って母親は兄妹を森に捨ててないけどね。使いに行かせただけ」
「なんで変えてんの?」
「明るく楽しい家庭向け歌劇というコンセプトで作られたからさ」
 捨てたの捨てないのって重たいテーマは要らないんだよ。海馬の答に城之内は半分だけ納得する。
「なんで家庭向け歌劇をオレとお前が見るんだよ」
「ボクが個人的に好きだからさ。あぁ、そろそろ時間だ。説明はもういいね、パンフレット片付けといてよ」
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