注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
※クリスマス企画です。先に説明からご覧下さい。
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食卓いっぱいの料理は、始めから一食分でもなく、ある程度食べ進められたところで残りは明日にと片付けられた。既に程よく腹を膨れさせていた面々に文句は無い。食卓の上が空になると、遊星とジャックは揃って席を外した。
ジャックは『ラリーの自信作』のための紅茶を入れにキッチンへ、遊星は三徹の成果を取りに作業場へ。それぞれ別の場所へ行ったのだが、帰ってきたのは遊星の方が早かった。
「本物の樅の木は無かったから」
作った、と、最後まで言わせずラリーが歓声を上げた。
「クリスマスツリーだ! 電飾も付いてる!」
鉢植えサイズを模した小振りのツリーには、根元から伸びるコードに連なって、電球が付いていた。電源部は鉢の中に隠してあるのだ。遊星が鉢の裏のスイッチを押すと、電飾は金属の枝葉の間で柔らかい光を湛え出した。赤み差す金色の素材に反射して、光がツリー全体をぼんやりと光の幕で包み込む。幻想的な光景には、ラリーだけでなくナーヴたちも驚嘆を示した。
「綺麗だな……有り難う遊星! ジャック、ジャックも見てこれ!」
遊星からツリーを受け取ると、ラリーは弾むようにしてキッチンに駆け込んだ。ちょうど各カップにお湯を注ぎ終えたところのジャックが、コンロにやかんを戻している。
「遊星が作ったんだよ! 凄いよね、きらきらしてさ、凄いんだ」
「凄い以外の感想は無いのか?」
「だって凄いんだよ!」
これだけ喜ばれれば三徹の甲斐もあるだろうなとジャックは昨晩机に向かっていた遊星の背中を思い起こした。記憶の中の背中は随分草臥れていたが、まぁ、これだけ喜ばれたならいいものだろう。
「さて、ツリーに喜ぶのもいいが、お前にも皆を喜ばせる用意があるのではないか?」
冷蔵庫に視線をやりながらジャックが問う。ラリーは、あっと言ってジャックと冷蔵庫の間をうろうろ落ち着かなく動き出した。それから、思い付いたようにジャックへツリーを差し出す。
「ジャック、これ持っててよ」
「何?」
条件反射で突き付けられたものを受け取って、ジャックは一歩後ろに下がった。ラリーが冷蔵庫を開けて食後のお楽しみを取り出し、食堂へ向かう。
「皆注目! ケーキ様の登場だぞ!」
やんやと囃し立てる音を微かに聞きながら、ジャックはツリーを調理台に置き、並べられた不揃いのカップからティーバッグを出して捨てた。
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食卓いっぱいの料理は、始めから一食分でもなく、ある程度食べ進められたところで残りは明日にと片付けられた。既に程よく腹を膨れさせていた面々に文句は無い。食卓の上が空になると、遊星とジャックは揃って席を外した。
ジャックは『ラリーの自信作』のための紅茶を入れにキッチンへ、遊星は三徹の成果を取りに作業場へ。それぞれ別の場所へ行ったのだが、帰ってきたのは遊星の方が早かった。
「本物の樅の木は無かったから」
作った、と、最後まで言わせずラリーが歓声を上げた。
「クリスマスツリーだ! 電飾も付いてる!」
鉢植えサイズを模した小振りのツリーには、根元から伸びるコードに連なって、電球が付いていた。電源部は鉢の中に隠してあるのだ。遊星が鉢の裏のスイッチを押すと、電飾は金属の枝葉の間で柔らかい光を湛え出した。赤み差す金色の素材に反射して、光がツリー全体をぼんやりと光の幕で包み込む。幻想的な光景には、ラリーだけでなくナーヴたちも驚嘆を示した。
「綺麗だな……有り難う遊星! ジャック、ジャックも見てこれ!」
遊星からツリーを受け取ると、ラリーは弾むようにしてキッチンに駆け込んだ。ちょうど各カップにお湯を注ぎ終えたところのジャックが、コンロにやかんを戻している。
「遊星が作ったんだよ! 凄いよね、きらきらしてさ、凄いんだ」
「凄い以外の感想は無いのか?」
「だって凄いんだよ!」
これだけ喜ばれれば三徹の甲斐もあるだろうなとジャックは昨晩机に向かっていた遊星の背中を思い起こした。記憶の中の背中は随分草臥れていたが、まぁ、これだけ喜ばれたならいいものだろう。
「さて、ツリーに喜ぶのもいいが、お前にも皆を喜ばせる用意があるのではないか?」
冷蔵庫に視線をやりながらジャックが問う。ラリーは、あっと言ってジャックと冷蔵庫の間をうろうろ落ち着かなく動き出した。それから、思い付いたようにジャックへツリーを差し出す。
「ジャック、これ持っててよ」
「何?」
条件反射で突き付けられたものを受け取って、ジャックは一歩後ろに下がった。ラリーが冷蔵庫を開けて食後のお楽しみを取り出し、食堂へ向かう。
「皆注目! ケーキ様の登場だぞ!」
やんやと囃し立てる音を微かに聞きながら、ジャックはツリーを調理台に置き、並べられた不揃いのカップからティーバッグを出して捨てた。
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