注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
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※クリスマス企画です。先に説明からご覧下さい。


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 人がごった返すアーケードの店で、遊戯と海馬は閉園の案内を聞いた。
「どうしよう、もう十時だって。まだお土産買えてないのに」
「大丈夫だ。新規の客は入れないが、今店内にいる客が出切るまでは営業してる」
 何を買うんだ、と海馬は遊戯の手許を覗き見た。『遊戯』の買うものが気になる恋人の視点半分、『客』の買うものが気になる経営者の視点半分で。
「それが、なかなか決まらなくて。マ……母さんに、海馬ランドに行くならお土産よろしくねって言われたんだけど、何がいいかなぁ」
「母親にか」
 海馬が一緒になって考え込む。手近なお菓子缶や絵皿、陶器人形の上を彼の視線が左右した。
 売れ筋は低価格帯のクッキー缶やチョコレート缶だ。愛らしくデフォルメされたブルーアイズ――間違っても無様に歪められたトゥーン姿ではない。トゥーンの何が気に喰わないかといえば洗脳でもされているかのような眼だ――が踊る図柄の缶は成人女性を中心に人気の品であるし、万が一図柄が受けなくとも中身が菓子であるから、そうがっかりさせることは無い。
 計算を終えると、海馬は棚から三つの缶を取って遊戯に渡した。
「この辺りはお前の母親くらいの層に人気の品だが、どうだ?」
「あ、お菓子缶だね。うん、母さん甘いもの好きだしこういう缶集めて小物入れにしてるしちょうどいいかも」
「一応、他のモンスターの柄もあるぞ。さすがに全種ではないが、特に人気の高いものや各種族の代表的なモンスターなら。お前の母親の好みは?」
 幻想的な妖精や魔術師、いかにもな騎士風の戦士、アメコミ調の獣、カードを知らなくても好みは出る。遊戯は昨夜の母親との会話を思い浮かべた。
「うーん、でも、やっぱりブルーアイズだな。海馬ランド、って感じがするのがいいみたいなんだよね」
 渡されていた三つの内、暗い青地の缶を遊戯が持ち直した。缶には、ブルーアイズをメインに、他の幾らかのモンスターも列を成して描かれている。どのモンスターもがクリスマス仕様の格好で、城や園内に多数設置されているワゴン、噴水の合間を縫って行進しているのだ。暗い青地は夜空の表現らしく、ところどころに花火が上がっている。
「これにしようかな。これ、さっきのパレードみたい」
「あぁ、そういうコンセプトでデザインさせたやつだな。この冬限定販売」
 限定の言葉が背中を押す力は半端無い。
「じゃあ買ってくるね。ええと……」
「ドアの外で待っている」
 レジの近くのドアを海馬が指差した。
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