注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
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※クリスマス企画です。先に説明からご覧下さい。


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 ケーキに紅茶。サテライトには稀である優雅な一時は、気付けば実にサテライトらしい安酒にての宴会に変わっていた。かろうじてラリーだけジュースだが、他は皆グラスに酒を注いでいる。全員未成年だが、サテライトの、それもこんな地下のアジトで、誰が何を言おう。おまけに彼らの飲んでいる酒のラベルには、シティではお決まりの「未成年の飲酒は法律で禁止されています」の一文も無い。むしろメーカー名もバーコードも無い。密造酒。未成年の飲酒以前の問題である。
「でさ、工場長がまた酷いんだよ」
 ブリッツが遊星に向かってくだを巻く。聞いているのかいないのか解らない態度だが、遊星はちゃんとくだを聞いていた。そして逃げ遅れた、と思っている。
 ナーヴとタカはソファに移動し差し合いで呑んでいる。ジャックは風向きが怪しくなったのを見て取ると、ビン一本を持って奥の部屋へ引っ込んでいった。そして今、酔っ払いの相手などしてられないとばかりに、ジュースを抱えたラリーもそそくさと部屋を出て行ってしまったのだ。
 ラリーは、多分ジャックのところに退避したのだろう。羨ましい。オレもそっちに行きたい。心の中で遊星はそう訴えた。無論、口に出さない訴えなど誰にも届かない。
「おい、遊星、聞いてるかぁ?」
「ああ、聞いてる。ラインの速度が尋常じゃないんだろ」
 こうして聞かれた時に答えるだけでそれ以外は特に口も挟まなければ相槌も打たない遊星を相手にするのと壁を相手にするのはそう変わらないような気がするが、ブリッツにとってはそうでもないらしく、遊星はかれこれ数十分この状態でいるのだった。いっそさっさと潰れてもらおうと積極的に酌はしているが、なかなかその気配も見えない。
 あっちに行きたい。ジャックとラリーが消えた仕切りカーテンの向こうを、遊星は恨めし気に見詰めた。
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