注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
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※クリスマス企画です。先に説明からご覧下さい。


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「何かちょっと、小腹が空かない?」
 遊戯の言葉に、その場にいた全員――杏子と本田、それに獏良と御伽が頷いた。
「昼はハンバーガーだけだったしね」
「ボク何か甘いもの食べたいなぁ」
「クリスマスらしくケーキとかいいわよね」
 ケーキ。それならいいトコ知ってるぜと、本田がやや愉快そうに告げる。本田とケーキ屋の取り合わせに皆懐疑的だが、まあいいから付いて来いよと言って彼は歩き出した。
「こっちの、すぐ近くだからよ。裏手んトコにあんだ」
「あー、そういや評判ね。本田が知ってるなんて意外だけど」
「ま、諸事情ってヤツだよ。お、ほら、そこの看板」
 前方にお洒落な洋風の店が見える。店内での飲食だけでなく買って帰ることもできるのか、ちょうど白いケーキの箱を提げた女性客が出て来たところだった。彼女と擦れ違って、遊戯たちが扉を開ける。
「いらっしゃいま――ゲッ」
 遊戯たちを出迎えた店員は、主に本田の顔を見ると、心底嫌そうに蛙の潰れたような声を出した。
「うっわ、似合わねーなーお前! ギャルソンかよ!」
「やだぁ、城之内じゃない。それで本田が知ってたのねー」
 かっちりしたベストに黒い腰エプロンは、確かに普段の雰囲気ではない。似合ってないとは言わないけど見慣れないなぁと、遊戯も心の中でその格好に評価を下した。
「んだよ、これ着てっと三割り増しでモテんだぞ」
「元がゼロのところに三割り増ししたってゼロのままだろ?」
「テメ、言ってくれんじゃねーか。オレはお前よりはモテんだからな、この失恋大将」
 どんぐりの背比べだねと御伽が肩を竦める。どんぐりの背比べだろう、ファンクラブのある御伽や獏良にしてみれば。
「誰がどんぐり、つかお前らだってクリスマスに淋しく団体行動してんだろーが。なぁ遊戯」
 話を振られ、遊戯は曖昧にえへらと笑った。デートはイブに済ませたと、この流れでは言えない。この流れでなくても言えない。
 幸い皆遊戯の笑いを苦笑と取ったようで、追求の手は伸びなかった。話を切り上げ、城之内が遊戯たちを奥の席へ案内する。メニューを開いて、美味しそう、と杏子が歓声を上げた。
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