注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
Calendar
<< 2025/03 >>
S M T W T F S
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31      
AdministrativeLink
※クリスマス企画です。先に説明からご覧下さい。


+++


 杏子たちと別れて、遊戯は帰りのバスに乗った。中途半端な時間だからか乗客は多くない。開いている一個席に座り、窓の外を眺める。
 あ、これ大回りの路線だ。バスが動き出してすぐ、遊戯はそのことに気付いた。普段よく使うバスと、アナウンスされた路線番号が異なる。この番号だと、基本は同じ道だが途中で私道に回り込み、二つか三つ余分に停留する路線の筈だ。
 遊戯にとっては遠回りになるバスだが、まあいいや、と彼は幾分機嫌良くそのアナウンスを聞いた。大回り路線に組み込まれている私道は、海馬コーポレーションの所有である。
 幾つかの停留所を通過して、バスが私道に入った。見覚えある大きなビルへ近付くにつれ、遊戯の心が少し弾む。
「海馬コーポレーション前ー、お降りのお客様は――」
 ボタンは押されなかったが、バスは止まった。新たに数人、仕事帰りと思しき集団が乗り込んでくる。
「いやぁ、この冬の商戦は調子がいい」
「今年は社長のメディア露出が後押しをしてくれているからな」
「社長と言えば、今朝の見たか?」
 今朝の? 遊戯が彼らの会話に聞き耳を立てる。
「十分遅刻で会議室に駆け込んだところなら見たぜ。廊下走ってたんだろ、あの社長が遅刻なんて珍しい」
「それが、なんか腰抑えてダルそうに走ってたって。で、昨日休みだっただろ」
 話していた彼らは、一拍置いて、あー、と気の抜けた声を出した。
「若いね、羨ましい」
 遊戯は俯いたきり顔を上げられなくなった。きっと、顔は真っ赤に違いない。多分思われているのとは少し、こう、上とか下とかその辺が違うのだろうけど。
「お色気系、可憐系、淑女系」
「……淑女に千円」
「じゃあオレはお色気」
 ボクどれになるんだろう……というかむしろ海馬君が淑女系だよねマグロだもん。俯いたまま、心の中で遊戯は昨夜を振り返った。
<< Future  BlogTop  Past >>
BlogPet
突付くと喋りますが阿呆の子です。
BlognPlus


Template by Toko/A violet