段々日記のタイトルが長くなってきました。もしも妄想八個目。今日は「もし『海馬瀬人』としての人生を、記憶喪失でまっさらリセットしたら」です。記憶喪失は、日常生活に必要なことは覚えてるけど、自分がどんな人間でどんな生活を送ってきたのか忘れてるタイプの方で。記憶後退とか幼児返りじゃない方です。脳味噌のレベルは記憶を失う直前の年齢レベルのまま。記憶を失うのはだいたい高校卒業後数年くらいの時期がいい。つまり原作瀬人がその後記憶を失った感じです。
　この瀬人は、城海設定が面白いような気がします。ある日瀬人が100％悪い喧嘩をして、「今度こそ別れてやる！」「望むところだ！」な応酬をしたあと、瀬人が記憶を失います。記憶を失う理由は、定番の階段から落ちて頭を打ったとかで。頭を打って気を失った瀬人が屋敷の人に発見され、医者を呼ばないととか何だとか騒ぎになるわけですが、まぁすぐに瀬人は目を覚まします。そして「あ、兄サマ気が付いた？　頭打ってるから動いちゃ駄目だよ。階段から落ちるなんて何をぼーっと・・・」と話し掛けてきたモクバに向かって、「待ってくれ、お前は誰だ？」となるのでした。
　で、医者の到着で物理的ショックによる記憶喪失（治るかどうかははっきりしない）だと判明。「別れてやる！」のやり取りを知らないモクバが大慌てで城之内君にも知らせます。そして別れてやるとは言ったものの知り合いが記憶喪失なんて聞くとパニックに陥るのが人間というもので、城之内君はまっさらリセットした瀬人の許へ向かうのでした。
　まっさらリセットした瀬人は、基本的な思考回路は瀬人っぽいところも残っているのですが、ぱっと見別人です。人生の諸々の記憶が無い＝諸々によって性格が歪んでない、です。この瀬人には親戚にたらい回しにされた記憶も虐待を受けた記憶も父殺しのレッテルを貼られた記憶も自分がやったあくどいあれやこれやの記憶も無いわけです。人間不信でも人間嫌いでもないよ。
　出逢い頭に罵倒せず、人を犬扱いしたりせず、笑顔を振りまき、有り難うとごめんなさいを実に素直に言える瀬人です。最初こそギャップに戸惑う城之内君とモクバですが、まずはモクバから「会社も何とかなってるし、正直このままの方がいいんじゃないかなって思えてきた」と笑顔の似合う兄サマに陥落です。自分も忘れられてるから葛藤はあると思うんですが。
　でもちょこちょこ記憶が戻ったりしてきたらいい。出来事単位で、しかも薄ぼんやりとしか思い出せない、くらいの戻り方で。例えば、城之内君といる時に突然付き合い始めた切っ掛けみたいなことを思い出して、「・・・オレたち付き合ってなかったか？」と言い出す感じです。そこで「ああ、うん、実はね」と言っちゃう城之内君です。そして何となく恋人っぽい雰囲気に戻りつつあった頃、突然最後の大喧嘩を思い出して、いちゃいちゃしてる真っ最中に「・・・オレたち、そういえば別れなかったか？」と瀬人が聞く、と。再び、「ああ、うん、実はね」と答えざるを得ない城之内君ですよ。
　そこに至るまでに、過去の自分の悪行も幾つか思い出してるといい。そして過去の自分の所業について悩んでみたりしたらいい。過去の自分のことで人に謝ってみたりとか。
　因みに、最後は記憶を完全に取り戻し、記憶喪失だった間の自分のことを「どうかしてた」と評する瀬人で締め括りです。「あーあ、戻っちゃった」と言いながらも、やっぱりこっちの方がいいなと、本当かよと聞きたくなることを思う城之内君とモクバなのでした。あ、城之内君は記憶が戻ったあとの瀬人とも縒りを戻しましたよ！


　拍手有り難う御座いました！　ハングリー精神の塊も萌えますよね！