注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
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※七夕企画です。詳細は7/6付けの記事をご覧下さい。


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「あれ? 今の橋渡んなくていいの?」
 渡された資料の中に合った名所地図を思い出しながら、モクバは運転する社員に声を掛けた。
「あ、はい、混んでるので別の橋から渡ろうかと。もうちょっと行ったところに逢合橋というのがありまして」
 年に一度、織姫と彦星がそこで逢うらしいですよと彼は続けた。
「あー、それで逢合。あ、けどそしたら、かささぎ橋は?」
 それもまた織姫と彦星の使う橋の筈だ。
「……かささぎ橋は雨の日用です。多分」
「結構アバウトだね伝説も」
「天津橋、なんてのもありますよ。他にも、橋だけなら山のように。全部に伝説が残ってるわけじゃないですけど」
 言う間に、歩道を笹で飾られた橋が見えてくる。間違いなくあれが逢合橋だろう。だがしかし。
「なんていうか、車通り多いんだね」
「織姫と彦星も落ち着かないでしょうねぇ」
 慌しさに自分を重ねてみて、モクバは牽牛に同情した。年に一度の日を、落ち着きなく迎えるなんて。いや、モクバの場合は誕生日こそ年に一度とはいえほぼ毎日瀬人と顔を合わせてはいるのだが。
 天野川を渡る車の中、それでも誕生日は特別なのだ――だってそれは初めて兄サマに逢った日だ――と、恨めし気に、モクバは笹に吊るされた取り取りの短冊を睨み付けた。
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