注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
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※七夕企画です。詳細は7/6付けの記事をご覧下さい。


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 それはそれは見事な、笹の大群だった。どの笹にも短冊や紙の飾りが吊るされ、今日が七夕の日だと強調している。神社というよりも笹置き場といったその様相に、モクバは感嘆の息を吐いた。
「凄い量でしょう? 近隣一帯から、願いの篭った笹が奉納されてきますから」
 宮司の格好をした男が、多分本物ではなく祭りのスタッフだが、得意気に笹を示す。貴方も吊るして見ますかと一枚渡された短冊を受け取って、モクバは控えのテントへ入った。瀬人と違いパフォーマンスというほどには派手で無い製品紹介まで、あと少し時間がある。モクバは机に転がっていたペンを取った。
「短冊かぁ。最近は書いてなかったけど、ご利益あるのかな」
 くるり、ペンを一回転させる間だけ悩んで、彼は短冊に願いを書き出した。
『今日中に逢えますように』
 願掛けのようなものだ。願掛けにしては、しつこいほど真剣に願っているとはいえ。
 モクバは一度テントを出ると、すぐ傍の笹の葉に触れた。どこに吊るしたものか、逡巡して少し高めの位置を選ぶ。織姫と彦星にはよくよく見てもらわないと困るが、人目にはあまり付きたくないのだ。今日中に、だなんて、書いた人間が何となく類推されそうな願いごとなど。
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