注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
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※クリスマス企画です。先に説明からご覧下さい。


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 自分の上に覆い被さって寝ている遊星の髪をジャックは軽く引いた。
「夕方近くになって漸く起きてきたくせに、オレより先に寝るとはな」
 しかも圧し掛かったまま。完全に乗り上げられているわけではなく、遊星はそう大柄でもないので、大した重さではないのだが。むしろ心地好い重み程度である。
 その遊星の身体を、ジャックは何となく抱えてみた。背中に手を置き、熱っぽさの残る皮膚を撫でる。遊星が小さく動き、体内で動く異物の感覚に、ジャックは息を詰めた。
 圧し掛かったままどころか、挿れたまま寝られたのだ。前戯を飛ばしハイペースでまさに『搾り取られた』それは萎え切って、抜こうと思えば、思わなくとも少し体勢を変えれば簡単に抜くことができる。
 どうしてくれようかと、ジャックは自分の肩口に乗せられた遊星の頭を見た。
 遊星の髪は、ジャックが抱えたり引っ張ったりした所為で、ぐちゃぐちゃに崩れている。もはや、いったいどんな風にセットされていたのだか、見て取ることもできない。
「ふむ、まぁ、よかろう」
 その頭を見ていると、敢えて今身体を引き剥がすことは情の無いように思えてくる。ジャックは、何もせずに、異物を咥えたままの体勢で目を閉じた。
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 ピピピピピピ、と部屋に電子音が響き渡った。
「ぁん。な、に?」
「あー、時計だわ。オレの腕時計、そこにあんだろ」
 エンドテーブルに乗った音源を城之内が顎で指す。海馬が取って渡すと、彼は側面のボタンを押してアラームを止めた。
「もう、配達?」
「これ終わったらだな。早めにイけよー」
 言って、城之内は奥深く刺さっていた肉茎で内壁をぐるりとこすり回した。海馬が切れ切れの掠れた声で喘ぐ。
「ぁ、やだ、出ちゃう」
 回転にピストン運動を加えられて、海馬は既に白濁で濡れそぼった茎の先端から、新たな液を溢れさせた。とろとろと勢い無く始まった射精に、城之内がピストンの速さと強さを増す。
「あ、ぁあん、やだ、終わらないで」
「無茶、言うな、って」
 ぐいと腰を押し付け、城之内は小さく三度震えた。数秒経って、身悶える海馬の内から萎えた塊が引き抜かれる。
「んん……、……もう終わり、なんて。詰まんないの」
「お前なぁ。オレが何時間頑張ったと思ってんだ」
 身体を離し開きっ放しの白い足を閉じさせてやりながら、城之内は呆れたような脱力したような曖昧な息を吐いた。絶倫の淫乱とは性質が悪い。
「何時間って、三時間は経ってないじゃないのさ」
「普通は一時間も頑張りゃ充分なんだっつの。っと、あー、そういや服ねぇじゃん。スーツで配達所かよ」
 城之内がぶつぶつ呟きつつ脱ぎ捨ててあった服を拾い集める。その足が浴室に向かうのに、「ちょっとキミ、この状態で放置する気?」と海馬は不平を叫んだ。
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 ようよう酔っ払いのくだから開放され奥の部屋を訪れた遊星に、ジャックは飲み差しのグラスを軽く掲げた。
「あいつらはどうした?」
「ナーヴとタカは潰れた。ブリッツは潰した」
 答えて、遊星は部屋を見回した。古びたベッドの上に座るジャック以外、誰もいない。
「ラリーは」
「とっくに寝たさ。自分の部屋へ戻ってな。遊星、オレは待ち草臥れたぞ」
 ジャックが片腕を差し伸ばす。遊星は、ふらりと彼の許へ歩み寄った。
「漸く二人きりだなぁ、遊星。ここ数日お前は電球だの金属板だのに構ってばかりで、独り寝は大層に詰まらなかったのだが」
 腕を引かれ、バランスを崩しながら遊星は済まないと謝った。倒れ込んだ遊星の頭をジャックが胸元に抱える。
「よし、よし、許そう。だが謝罪が欲しいのではないぞ。分かるな?」
 ジャックの唇が遊星の耳を食み、指先が股間を撫で上げる。ぶるりと、遊星が震えた。それにジャックは恍惚とした笑みを浮かべる。
「無駄撃ちはしていなかったようだな。少し触れただけでこれとは」
「ジャックは」
「オレはしたさ。お前を想ってな。こうして――」
 遊星を開放し、片手で己の服装を乱しながら、ジャックはもう片手の指を口に含んだ。唾液に濡らし、そしてそれを背面から肛環に近付ける。
「く……あぁ、指を、うずめて」
 ぐち、と音を鳴らして指が動く。遊星は頭を抱えられていた時のように上体を傾げたまま生唾を飲み込んだ。
「尤も、指では独り寝の詰まらなさが、多少緩和される程度だったが」
「ジャ……」
「あぁ、何を呆けている? もの足りなかったと言っているのだぞ」
 早くソレを寄越せ、とジャックが足先で遊星の膨らんだ前立てを突付いた。遊星は頷きジッパーに手を掛ける。
「さぁ、この数日分全て、搾り取ってやろうではないか」
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「海馬君。海馬君、寝ちゃった?」
 どうしよう、と遊戯はどろどろになった海馬の身体を眼下に眺めた。どうしようといっても、どうしようもない。前夜の睡眠不足が祟ってか終わった瞬間に落ちた海馬が目を覚ます気配は無く、遊戯が海馬を浴室まで運ぶことは試すまでもなく不可能である。引き摺る、ならもしかしたら可能かもしれないが、肩を貸して引き摺るには身長が足りず、床を引き摺るのは高そうな絨毯にも柔そうな海馬の肌にもよろしくない。
「海馬くーん……」
 もう一度呼び掛けてみるが、やはりピクリとも動かない。
「駄目だぁ、絶対起きないよこれ。明日仕事あるんだったらどうしよう」
 それすら聞き出さない内に寝入られたのだ。遊戯は頭を抱えながら浴室に向かった。せめて表面を拭くだけでもと脱衣所で備え付けのタオルを取り、バスタブから汲み上げた湯に浸す。洗面器ごと部屋に持って戻り、寝台の足元に置いた。
 絞ったタオルでまずは海馬の顔を清める。それから首筋、肩へと降りた。
「ん……」
 鎖骨の窪みに触れると海馬が小さく身じろぐ。起きるわけではないが時々反応を返すようになった身体に、遊戯の悪戯心が騒いだ。そっと、タオル越しでなければ愛撫になるような手付きで乳暈の縁を拭く。反射なのかツンと立ち上がった乳首に遊戯は唇を寄せた。
「今起きちゃやだよ……」
 ちゅ、と小さな音だったが、静かな部屋の中では聞き逃すことも無かった。遊戯が真っ赤になって顔を上げる。彼は海馬の身体に目立って残る汚れだけを御座なりに拭くと、あわあわと浴室に駆け込んだ。
 ここに付けたらどうなるだろう? 好奇心のつもりが、赤子への授乳を連想しただなんて言えない。きっと「オレは男だ」か「母性を汚すな」のどちらかの方向性で怒るだろうし、そもそも寝ている人間にそれはどうなんだって観点から怒られるかもしれない。遊戯は逃げ込んだ浴室でシャワーを浴びながら、何を言われるだろうかと恐ろしい想像をした。
 あらぬところへ付けられたキスマークに、明日の朝海馬が気付くかは定かでない。
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「あ、ぁ、メリー、クリス、マス」
「あん? 何だよ急に」
「日付。変わ、った」
 揺さ振られながら、海馬が壁に掛かった振り子時計を指差した。装飾過多な文字盤の上で短針と長針が重なり、秒針が半回転ほど進んでいる。
「時間チェックとは余裕じゃねーの」
「余裕、だからね。そんな浅いところで焦らさないで、もっと奥までちょうだいよ」
 時計に気を取られ城之内の動きが緩慢になった隙に、海馬はそう言い切った。白い足を絡み付かせ城之内の腰を引き寄せる。
「あは、」
「あ、コラてめ、一人で善がってんじゃねーよ」
 城之内が海馬の腰を掴み直した。先よりも激しく突き上げて、海馬の余裕を打ち崩そうとする。海馬が動きに合わせて足の形を変えた。
「あ、ぅん、そう、そこ、そう」
 直腸と結腸の境まで押し広げられる感覚に、海馬は何度も「そう」と繰り返した。時折「もっと」という言葉も混じる。
「ホント貪欲だよ、てめーのココは」
 無骨な指が、出し挿れされる硬い肉茎にこすられ充血している肛環をなぞった。海馬の足が跳ね上がってシーツを蹴る。
「結構デカイ自信あったのに、やすやす根元まで飲み込みやがって」
「自信、喪、失?」
「しねーよ。お前が異常なんだ」
 はは、と海馬が擦れた愉快そうな笑いを上げる。腹が震えて、中に埋まっている城之内を蠕動が包んだ。
「異常、だ、なんて。酷いな、ぁ。ぁは、心配、しなくても、キミのは、いいよ」
 城之内の下で海馬は腰を振る。
「あぁ、凄く、いい……」
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「あんなに道が混んでるなんて、予想外だったな」
「本当。途中まで電車で帰ってきた方が早かったね、きっと」
 海馬はヘリを呼べばよかったなと言い掛けていたが、それでは折角目立たないように服装まで変えて遊んだ一日が台無しだ。もう海馬邸に戻ってきているのだから気にする必要は無いが、今日はお忍びだったのだから。
「でも、今日は楽しかったよね。道が混んでたのだって、遅くなったから海馬君ちに泊めてもらうって言いわけになって、かえってよかったかも」
「言いわけが必要になるようなことを?」
「うん。……してもいい?」
「好きに」
 遊戯が海馬の手を引く。防寒具も取らぬまま、二人は寝台に縺れ込んだ。
「好きに、とは言ったが。コートくらい脱ぐ暇を」
「ボクが脱がせてあげるから!」
 いつもなら着ない系統の服。ただ脱がれては面白くない。遊戯はボタンへ伸び掛けた海馬の手を止めると、いいでしょ、と満面の笑みを浮かべた。
「まずはマフラーね」
 灰青のマフラーを外す遊戯の手を海馬は黙って見詰めた。手がコートに掛かっても、服の中に忍び込んでも、ややマグロ気味に、遊戯の好きなように、されるがままになっている。
「ん、……ぁ」
 冷えた手が脇腹を撫でると、海馬の口から吐息が漏れた。
 積極的に求めるわけではない。受動的で、喘ぎすら噛み殺す。ともすればつまらない行為になりがちな海馬の態度だが、遊戯はそれが好きだった。
「海馬君、海馬君。目を開けて」
 瞼の下から現れる瞳の色が、ちょうど外したばかりのマフラーのような薄い青灰色になっていることを確認するだけで、遊戯には充分なのだ。
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 月明かりを頼りに手鏡を覗きながら、瀬人が頬を撫でた。
「何やってるの」
「いや」
 鏡をサイドテーブルに置き布団の中に潜り込むと、瀬人は先に入っていたモクバを枕に寝心地の良い姿勢を探り出した。定位置を見付け、よし、と呟いてから切り上げられたように見えた鏡の話を続ける。
「近頃すこぶる肌の調子がいいんだが、いいセックスをしていると調子が上がるというのは本当だろうか」
「え、その話題オレに振るの?」
 肯定すれば自画自賛、否定すれば自虐である。当人としてはノーコメントを貫きたいところだろう。何をしてるのかなんて聞かなければよかったと、モクバは遅い後悔をした。
「少し前はどうにも荒れやすくてな。その話を小百合にしたら、そう言われたんだ。静香も聞いたことのある話だと」
「ちょ、外でなんて話」
「実際、少し前までお預けだっただろう。術痕が塞がったはいいが拡張に手間取って」
「あんまり生々しい話は聞きたくないなぁ……」
「時期的にちょうど重なるんだ。北村は若い子の精気吸い取ってるからじゃないのと言うんだが」
「兄サマ忍ぶって言葉知ってる?」
 噛み合わない会話が虚しく天蓋の内に響く。精気は吸い取られるより失われてる方が多いんじゃないかな、と、モクバは突如感じた疲労にそう思わざるを得なかった。多分、失われている。今まさに。
「忍ぶくらいオレの辞書にも載っているわ。だがそもそも何を忍ぶことがある」
「やー……オレたちの場合割と結構あるんじゃない?」
「愛の前に性別なんて」
「それバイの人が言わなきゃ説得力無いと思うんだ」
「というか間違えたな。愛の前に近親だなんて」
「もの凄く同意だけど、ほら、慎みとゴシップ的にさ……」
 ゴシップ程度で傾く海馬コーポレーションではないが、週刊誌に載るのはもう懲り懲りなのだ。女になりました会見のあとの、マスコミ連中の猛攻といったら! あのうんざりする状況を思い出して、モクバは深く溜息を吐いた。
 瀬人の目の冴え具合からいくと、溜息が寝息に変わるにはまだ暫く掛かりそうである。
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 ケーキに紅茶。サテライトには稀である優雅な一時は、気付けば実にサテライトらしい安酒にての宴会に変わっていた。かろうじてラリーだけジュースだが、他は皆グラスに酒を注いでいる。全員未成年だが、サテライトの、それもこんな地下のアジトで、誰が何を言おう。おまけに彼らの飲んでいる酒のラベルには、シティではお決まりの「未成年の飲酒は法律で禁止されています」の一文も無い。むしろメーカー名もバーコードも無い。密造酒。未成年の飲酒以前の問題である。
「でさ、工場長がまた酷いんだよ」
 ブリッツが遊星に向かってくだを巻く。聞いているのかいないのか解らない態度だが、遊星はちゃんとくだを聞いていた。そして逃げ遅れた、と思っている。
 ナーヴとタカはソファに移動し差し合いで呑んでいる。ジャックは風向きが怪しくなったのを見て取ると、ビン一本を持って奥の部屋へ引っ込んでいった。そして今、酔っ払いの相手などしてられないとばかりに、ジュースを抱えたラリーもそそくさと部屋を出て行ってしまったのだ。
 ラリーは、多分ジャックのところに退避したのだろう。羨ましい。オレもそっちに行きたい。心の中で遊星はそう訴えた。無論、口に出さない訴えなど誰にも届かない。
「おい、遊星、聞いてるかぁ?」
「ああ、聞いてる。ラインの速度が尋常じゃないんだろ」
 こうして聞かれた時に答えるだけでそれ以外は特に口も挟まなければ相槌も打たない遊星を相手にするのと壁を相手にするのはそう変わらないような気がするが、ブリッツにとってはそうでもないらしく、遊星はかれこれ数十分この状態でいるのだった。いっそさっさと潰れてもらおうと積極的に酌はしているが、なかなかその気配も見えない。
 あっちに行きたい。ジャックとラリーが消えた仕切りカーテンの向こうを、遊星は恨めし気に見詰めた。
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