注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
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激しく不本意ないつものアレ

普通緑うっわぁ、キミ今もの凄い不細工な顔してるよ!
不機嫌瀬人画力への文句は中の人間に言え。
普通緑いやいや画力って言うかそれ以前に表情の問題だから。何そんなぶすくれてるのさ。久し振りのアレだよ。ボクらの活躍シーズン到来だよ。
不機嫌瀬人だからだ!
ご機嫌緑まぁ、ともかく説明無しってわけにもいかないかな。何分久し振りにするわけだからね。この展開に覚えが無い人は 2008瀬人誕 や 2009新春サイトジャック 辺りを見てくれたまえ。見てくれたかな? そうしたら解ってもらえると思うんだけど、今回はちょっと絵柄が変わってるよ。というのも、塗りだけ絵師の名称を返上すべく中の人が線画練習中なんでね。ボクらも普段より真面目に描かれてるってわけさ。
不機嫌瀬人真面目に描いてこの程度とは溜息が出る……
普通緑はい、言わない言わない。罵倒語にすらならないほどに真実塗りだけ絵師だった時よりは、線で絵を描いてみようという姿勢が見られるだけいいじゃないか。あと、なんかボクら特に描き難いらしいよ。額と眉無いからだって。
不機嫌瀬人中の人間の都合など聞いておらんわ……。それで! 今回は! どういうコンセプトなんだ!
ご機嫌緑あぁ、そうだ、それを発表しなきゃね! 年末年始年越しで、久し振りの登場で張り切っちゃったボクらが皆のリクエストを叶えるよ。除夜の鐘にも負けない煩悩や、初詣の参拝に相応しい願いをトップページの除夜の鐘って書いてあるところから送ってくれたまえ。因みに年が開けたら賽銭箱に設置しなおされる予定だ。
普通瀬人PC版のトップページへは、画面をリロードするか左メニューのaboutを押したら戻れる。携帯なら普通に戻れ。なお、除夜の鐘だがシステム的にはWeb拍手だ。即ちリクエストは匿名でも記名でも構わん。
ご機嫌緑あ、そうだ、この記事のタイトルは気にしなくていいからね! 気にしちゃ駄目だよ! 絶対駄目だからね!
普通瀬人……お前は芸人か?


※というわけで予告より遅れましたが企画開始です。リクエスト内容は瀬人受け方面なら基本的に傾向問いませんのでお気軽にどうぞ!
 年末年始企画、ただ今準備中ですー。お昼はちょっと過ぎての開始になりそうです。目安は31日1時くらいかなーと踏んでますが、多少前後するかもしれません。
 では、まだ準備があるので日記はこれで! 企画、皆々様のリクエストお待ちしてます!


 拍手有り難う御座いました! 記憶喪失ネタ、普段書けない瀬人を書いてみたいところです。
 昨日の日記で言ってた記憶喪失ネタを更新しました! 城海です。ドタバタコメディ調で、短期連載を予定。今度は短めの連載で・・・同じ城海の致死量~くらいかそれより短いくらいの話にしたいです。もう二年以上も連載しない。
 なんか、連載してると、少なくともその連載中の話のメインCPについては、他の話を書くより早く連載を完結させなきゃいけないような気になってくるんですよね。別にそんなこと無いのかもなんですけど、自分の記憶力的に、あんまり複数の話を同時に書いてると設定ごっちゃになりそうで。その所為でセネト書いてる間はほぼ全くファラセトとか闇海の短編が書けなかった。そしてその書いてる間が二年以上あった・・・ネタばかりが溜まり行く二年数ヶ月・・・そんな反省(?)を生かして、今度は短期連載予定です。今見たら致死量~が番外編込みで一ヵ月半だったので、それと同程度くらいで完結させたいと思います。まぁ、予定は未定ではあるのですが。希望として。
 あと、ネタばかり溜まり行く二年数ヶ月に溜め込んだネタも早めに昇華したい・・・あとバクラを目立たせてみたい・・・あと古代舞台ももう一パターンくらい書きたい・・・あとR-18に置いてる10億ドル娼婦の続編実は考えてる・・・あと・・・
 10億ドル娼婦とか、完結2007年なんですが、当時から考えてた続編をまだ書けてません。年単位の更新計画・・・因みに今回の記憶喪失ネタも一番最初にネタを思い付いて日記かなんかでチラッと語ったのは多分二年くらい前だ。光陰矢のごとしとはまさにこのことですね! 激しくスローペースですが、割合やりたいと言ったことは欠かさずやってるつもりなので、色々長い目でお付き合いいただけると有り難いです。

 あ、そうだ、サイトを通常使用に戻しました。戻ってない方はブラウザリロード等していただくと戻るかと思います。そして戻しましたがまたちょっとしたら年末年始仕様にします。
 年末年始ですが、久し振りにリアルタイムリクエスト企画でもやろうかなーと思います。あれ、リクエストこないとなかなかに切ないことになるので、皆様奮ってリクエストして下さいね! 年越しでやりたいなーということで、31日の昼くらい~リクエスト数と私の体力状況にも依りますが元旦か2日に終了を予定です。その時間になったらまたこのブログ及びサイトに案内を出します。
 それで、リクエスト企画なのですが線画練習をかねてやりたくてですね、今回は割りと真面目に絵を描こうと思います。が、線画と自分の絵の融合練習なので絵柄が不安定な可能性があります。ので、リクエストの際に想定された絵柄と出てきた絵柄が違う可能性がありますが、その辺はご了承下さいー。一応、大まかに原作風とか自分絵寄りとか指定していただくとそっちに寄るように努力はします。

 というわけで、一先ずは更新連絡と年末年始のお知らせでしたー。


 拍手有り難う御座いました! 記憶喪失ネタ更新しました!


 更新記録!
 ・チェンジ・ザ・ライフ 1
 城海で短期連載です。
 昨日バンドネタやりたいって書いたんですけど、もう一個、記憶喪失ネタもやってみたいんですよね。こっちは城海で、記憶喪失になるのは瀬人で。
 記憶喪失、定番の萌えネタだと思うんですが今まで書いてませんでした。なんというか記憶喪失ネタに関しては原作が最大手過ぎて。しかしまぁ原作がシリアス路線の壮大な記憶喪失ネタだとしたら、それとは全く違う方向性の記憶喪失を模索するのも面白いんじゃないかなーと思いました。ドタバタ路線で、「なんかもう記憶戻らなくてもいいんじゃない?」な空気の話を書きたい。
 瀬人が記憶喪失で、綺麗さっぱり過去を忘れ去り、性格歪まなかった場合こうなります、みたいな状態になるのです。つまりは笑顔の似合う兄サマだ。コレむしろ戻さない方が・・・ってなる皆を他所に、ちょっとずつ自力で(というか自然に)記憶を取り戻していく瀬人です。そして性格の歪んでない状態になってた瀬人は記憶を取り戻す度に自分の行いに頭抱えます。
 と、いうのをですね、かなり前にも語った気がするのですが、書きたいわけですよ。なんかもう書きたいネタがたくさんあり過ぎる。しかも昨日のバンドネタといいこの記憶喪失ネタといい、書くなら数回連載になりそうなのが。どっちから書いたものか・・・あと短めでも書きたいのあるんですけど本当にもう何から書いたものか。もう、一日が48時間になるか私が2人になるかする必要がありますよ・・・!


>100%善人なのは社長じゃない、と~の方
 善人と思われたくない、そういうのもありそうですねー。いいことしても、自分で偽善だって言っちゃうタイプというか。いいことしてるのを人に知られたくないというのを、謙虚なのかと思えばそうでもなく、どちらかと言うと友情にゾゾゾとなるがごとく善人という言葉に拒絶反応を示していたら萌えです。瀬人はプラスの意味の言葉にゾゾゾとなりそうな気がしますよ・・・!

 他、拍手有り難う御座いました! バンドネタ、やるなら髪型にもの凄く言及したい。
 バンドネタをやりたい。です。バンド、完全にパロディで。バンドネタがやりたいというか、遊戯たちの髪型の謎に迫る話が書きたいだけとも言う。一昔前のバンドってああいう頭普通にいたよね、そんな感じのノリの話を書きたい。というわけで以下そんな感じの話です。カップリングが男女入り乱れてカオスだったり女体化ネタ挟んでたりするので、雑食以外の方はご注意を。一応、闇海・城舞・表→杏→闇寄り。
 完全にパロディで、ギター2本の5人バンドです。前にちょこっと文化祭でバンドとかしたらいいのにって書いた覚えがあるんですが、基本的にメンバーはその時書いたようなので。ボーカルがバクラ、ギターがアテムと遊戯、ベースが御伽ちゃん、ドラムが城之内君。闇人格2人が表と分離して存在してるので完全にパロディなわけです。見た目は闇だった時の見た目でもいいような、褐色でもいいような。褐色かな。そして2人とも脱ぎ癖がある、と。盛り上がってくると上脱いじゃうのね。ほらちょっと古代人っぽい!
 で、彼らのバンドは「ロックなのかパンクなのかメタルなのかはっきりしろ」と言われつつも人気です。アテム・遊戯・バクラは見た目ロックだけど、御伽ちゃんはメタルっぽいし、城之内君はパンクっぽい。当初はすぐに音楽性の違いとかで解散するんじゃねーのと言われてましたが、なんだかんだで続いてます。因みに今はその内女問題で解散すんじゃねーのと言われています。御伽ちゃんが軽く遊んだだけ(比喩的な意味でなく本当に街で遊んだだけ)の女の子に病的に本気になられて大変な目にあったり、アテムとバクラの貞操観念が激しく微妙だったり(古代人設定じゃないけど一夫多妻圏出身とかいいかもしれない)、遊戯がちょっといいなーと思ってる女の子がアテムのファンだったり(というかこれは杏子だ)、城之内君がアメリカでPV撮影という名の観光の際にカジノのディーラー嬢を巡りハリウッド俳優と喧嘩になったり(というかこれは舞さんとジョン・クロード・マグナムだ)、でもまぁこれもなんとなくなんとかなって続いています。しかし週刊誌的のネタにこと欠かないバンドだな。まぁアイドルと違ってバンドはある程度までの問題は起すのが花みたいなところもあったから・・・いや限度はあるけど・・・
 あ、リーダーは遊戯です。音楽性も性格も常識すらもバラバラなメンバーをどうにかこうにか結束させてる、ぱっと見そうは見えないけど敏腕なリーダー。派手なパフォーマンスの影に隠れがちだけど実は演奏もすっごく巧いよ! アテムがパフォーマンスで演奏疎かになってる間、ソロで持ち堪えてるのは遊戯だ。
 ところで瀬人のポジションですが、瀬人ははぐれメタル並みの俊敏性を誇る伝説の観客です。ステージからでもよく見る顔って解るくらいよく見る(いつも前方の席をキープしてる)顔だけど、出待ちとかにはいたことが無いし、ちっちゃいライブハウスとかの時に終わってすぐ観客席側に行ってみてももういないし、よく見かけるのに全く接触したことが無い観客です。ファンだと思うけどなんかそれもよく解らない。
 それで、最初にも書いたんですが、瀬人は女体で。今度は先天的に女体化パターンで。今までイロモノな女体化は多々書けど先天的女体化という基礎を押さえてなかったなぁと、この間気付いたのでちょっとそれも書いてみたい所存なのです。というのと、単純にこういうのの追っかけに男ってあんまり聞かないよね、という事情も。
 ともかくバンドネタです。遊戯王キャラの髪型という聖域(?)に踏み込んでみたいんだぜ・・・!


 拍手有り難う御座いました! 善人になり切れない瀬人に萌えです。
 世間ではすっかりクリスマスも終わってしまったようですが、このサイトはちょっとお片付けする時間が無かったのでもう暫くクリスマス仕様です。企画のログとかもあとで纏めます。
 クリスマス・キャロルはいかがだったでしょうか。文体というか文章構成というか、原典が日本語なわけじゃないから文章構成と言った方が近いでしょうか、パロディとしてそういう部分も似せたのですが、やっぱり自分の文章のリズムを変えて書くというのは難しいですねー。序盤は話の流れがほぼ原典通りで細かいところが遊戯王仕様(鋲釘のように死に切っている→墓地に置かれたカードのように死に切っている)だったので、純粋にパロディになってたと思うのですが、後半に行くにつれパロディというよりパスティーシュになってきてました。瀬人がスクルージほど急に改心したり明るくなったりはしてくれなかった所為だ。そしてラストで話中人物である瀬人に現実に存在する原典の存在を言わせてしまったらより一層パスティーシュになった。
 まぁ、そもそもキリスト教的な教訓話に古代エジプト的死生観を混ぜ込んだ時点で、です。そして一昔前イギリスが舞台の話を現代日本舞台にした時点で。
 オチはかなり自由に展開変えてしまいました。全てを悔い改め神に感謝して神に祈りながらクリスマス万歳する瀬人がどうしても想像できなかった・・・瀬人は改心しても改心してないというか、寄付するにしてもする相手は自分で選ぶし、寛容じゃないから騙されるのとか絶対許さないし、ちょっとくらいクリスマスを祝う気分になって手土産持ってパーティに行ったところで多分あのあと城之内君辺りとは「クリスマスだなんだと浮かれ気分最高潮でお目出度いことだな。明日の早朝出勤を忘れるなよ」「折角人が仕事忘れて楽しんでるところに水差すんじゃねーよ!」な喧嘩になるんだろうし、恐らく最終的に死んだ時には鎖くっ付いてると思います。多少軽くなってるけど。で、アテムが「オレの心遣いを無駄にしやがって!」って怒る。でも瀬人だから「そんなことはどうでもいいから神とやらを読んでこい! 今度はオレが締め上げて下らん善人ごっこなどせずとも鎖を消す方法を吐かせてやるわ!」くらいは言い返すきっと。
 キリスト教的教訓話としてはとてもアウトですが、お墓に収める副葬品として神々の泥沼な争いの様子を綴った神話が人気で、しかも人気の理由が「だってコレ持って行けば冥界裁判の時に神様に『でも貴方たちほど酷いことしてないもん。これくらい見逃してよねー』って言えるかと思って」だった古代エジプト的には、まぁそういうのもありなんじゃないかな! 善人になるだけが楽園への道ではないのです・・・天国へ至る道は狭いらしいですが、イアル野へ至る道は割りとだだっ広いです。ただし通行料がちょっと高いよ! 冥界の沙汰も金次第。イアル野への道は広いので両手に富を抱えてても全然問題無く通り抜けれますし、富を持っていった方が楽園を更に満喫できます。・・・酷いなこの宗教。そして、瀬人も改心し切れてませんが、そんな宗教の国に生きてたアテムの言ってることがそもそも大概です。身動き取れりゃ悪鬼でもいいけどな別に。
 それはともかく、一応基本は抑えつつも古代エジプトと現代日本の価値観でアレンジされたクリスマス・キャロルでした。カップリング完全に無しで長めの話というのはこのサイト初の試みでしたが、こういうのも偶にやると面白いですねー。


>格の字サマ
 メリークリスチャン=セト=ローゼンクロイツ! 二回分纏めてレスしちゃいますね! サンタなブルーアイズ可愛いですよね・・・こう、服着せられた犬みたいなイメージで描いてました。
 話の内容は瀬人に合わせてちょこちょこ変わってたりするのですが、パロディなりに、パロディならではの変わった素敵さが出せていればいいなと思いますv あと、こう、読み終えた時に、瀬人が少しばかり幸せな気持ちになってたような、そんなちょっとしたものが伝わってればなーと。
 開始早々から終了までお付き合い有り難う御座いました! クリスマスは過ぎたので、今度は良い年末年始を!

>ねこまサマ
 クリスマス終わっちゃいましたが、引き続き良い年末年始を!
 捻くれても、自分では気付いてなくても、誰かしら瀬人を見てる人がいれば本当の不幸は回避できる筈・・・! という思い付きから書いた話でした。出発点がそこなので、巧くハッピーエンドに纏まったと思いますv

>クリスマスキャロル、良かったです! ~の方
 やっぱり100%善人になっちゃうとあまり瀬人っぽくないですよね。別人のように改心した、という原典のテーマからすると瀬人っぽく無いくらい善人になっちゃうのが正しいのかもですが、寄付先を選り好んだり、悪態吐きながらオカルト現象を認めたり、今回は完全な善人にはなりきれない瀬人でお送りしました。
 幸せには、きっとこれからなっていくんじゃないでしょうか。時々また捻くれては周りに宥めすかされたりしつつ。そうだといいなーと私は思いますv

 他、拍手有り難う御座いました! 教訓話になり切れない教訓話パロディでした。
 クリスマス企画です。初めにクリスマスお知らせをご覧下さい。

+++

 施設を出ると、瀬人は再びバスに乗った。彼はそれで屋敷の傍まで帰るつもりだったが、窓から風景を眺めている内、ふと思い付いてまだ幾つか停留所を残したところでそれを降りてしまった。
「メリークリスマス! チキンはいかが!」
 彼が降りたのはクリスマスの特設マーケットの前だった。賑やかで華やかな空間に彼は足を踏み入れた。チキンやオードブル、ケーキ、アルコール、ちょっとした雑貨、様々なものがそこで売られていた。それらはパーティの手土産には最適だろうと思われた。
「シャンパンはいかが。ワインもあるよ」
 呼び込みに釣られるようにして瀬人が木箱に詰まれたボトルに視線を向ける。その中の一本が彼の目を引いた。
 シャンパンでもワインでも良さそうなものはたくさんあった。知った銘柄もあった。だが瀬人はそのどれでもなく、ただ目を引かれたラベルのボトルを手に取った。特別な手土産にするには些か安価で、飲んだことも無ければ味の予測も付かなかったが、その古代エジプトを思わせるピラミッドと眼のようなデザインのラベルは今日自分が買うには尤も相応しいだろうと彼は思った。
「そちらで?」
 美味ければ儲けものであるし、不味くても、砂糖やスパイスで味を調えグリューヴァインにして飲んでしまえばいいのだ。瀬人はボトルを店員に渡した。会計を済ませ、クリスマス風にデザインされたワインバッグを受け取って、帰路に着いた。彼の屋敷へ、屋敷の娯楽室へ、向かうことにした。
 どこかから、クリスマス・キャロルの演奏が聞こえてきた。それを聞きながら、瀬人はふと浮かんだ考えに一人小さく口角を緩めた。彼はどこかしら幸せそうであった。そして、それは道行く全ての人々と共通した態度であった。彼は思った。
 これはまるであの話、そうだ、あの、今聞こえてくる曲と同じ題目の話のようではないか。昨夜は不思議なことばかりが起きたが、どこからどこまでが真実か解ったものではないが、信じる信じないは別として心に留めておいてやろうではないか。
 まるでクリスマス・キャロルのような奇跡が起きた晩があったと!

+++

 Merry Christmas, and Happy Holidays!
 クリスマス企画です。初めにクリスマスお知らせをご覧下さい。

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 通りは、行事好きの家々がそれぞれに施す門戸や庭の飾り付けでクリスマスの空気に溢れていた。緩やかな坂を下っていくと、中腹ほどにバス停があって、ちょうどバスがやってきていたところだった。そして、珍しくも、瀬人はそれに乗り込んだ。普段は運転手付きの車が彼の主な交通手段である。乗り合わせた中で彼を知る人々は、一様におかしな顔をした。
 バスは、遠くまで行く路線のものだった。ごとごとと揺られながら、瀬人は窓の外を眺めていた。住宅の様子がしだいに移り変わっていくのを、面白く思った。その終点で無いところで彼は降りた。
「確か、こちらだった筈だが……」
 少し歩くと、景色は僅かに見覚えのあるものになった。辺り一帯は再開発地区なのだったが、そこは元の建造物を残したままにされているようだった。通りを歩いていくと、突き当たりに、かつて瀬人のいた施設が見えた。
「どうした」
 彼は塀の傍にしゃがみ込んで泣いている子供たちに声を掛けた。一番端にいた子供が、瀬人を見上げてぐずりと鼻を啜った。
「サンタクロースが来なかったんだ」
「皆いい子にしてたのに。普通のおうちじゃないからサンタさんに忘れられちゃったんだ」
 それを聞いて彼が吐いた嘘は、間違い無く、これまで彼が吐いた中で最上の嘘だったろう。
「近頃はいい子が増えて、サンタも一日ではプレゼントを配りきれず、二十四の晩と二十五の晩に分けてプレゼントを配っているらしいぞ。今朝プレゼントが見付からなかったのなら、明日の朝に届いているのではないか?」
「本当に?」
 小さな子供の集団は途端に元気になって飛び上がった。他の子供たちにも教えてやろうと集団は施設の中に駆け込んでいった。何ごとかと庭に出てきた大人に瀬人は声を掛けた。
「ここの職員か?」
 彼女がはいと頷いたので、瀬人は続けて彼がいた頃の園長の名前を告げ、その人がいないかと聞いてみた。すると、幸いにも彼女はまだここの園長であった。先の職員が呼びにいって、暫くすると一人の老女が出てきた。彼女は瀬人を見て驚いた顔をした。
「長い間そうすることを忘れていましたが。世話になった恩を返したいと思った時、ここでは誰に話を通せば良いのですか」
 彼はそう言ってから、解り辛かったかと思って、直截な言葉で同じ内容の言葉を繰り返した。
「寄付の受付窓口はどちらに?」
 老女は一層驚いた顔になって彼にそれを説明した。クリスマスの奇跡だと彼女が謝辞を述べるのを遮って、クリスマスといえば、と瀬人はコートの内ポケットから革の財布を取り出した。
「取り急ぎ、サンタクロースにこれを」
 入っていた紙幣を数枚抜き取り瀬人は言った。そして、できれば我が社の製品を宜しく、と付け足した。彼は、彼が彼の会社の経営を始める切っ掛けになった気持ちを思い出していた。彼の会社は玩具会社である。それは子供を喜ばせるためにあるものだ。
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