注意! カップリングも傾向もごった煮の無法地帯です。苦手な方はUターンどうぞ。最近はシモネタにも注意した方がよさそうです。今日、昨日、明日。起きてから寝るまでが一日です。
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※クリスマス企画です。先に説明からご覧下さい。


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「庭の雪はどの程度残しましょうかと庭師が」
「お召しものは」
「こちらはどうしましょうか」
 瀬人様、瀬人様、瀬人様。使用人に丸投げで気が済む場合には違うのだろうが、あれこれと自分で決めたがる場合には、パーティの日に忙しいのは館の主もである。
「雪は道の周りと枝の弱い木からだけ除けてあとは積もるに任せておけ。服は先週買ったパフスリーブのがあるだろう。あぁ、それはあれだ、あっちに」
 瀬人の指示に合わせてメイドやフットマンが慌しく働く。恐らくは今頃厨房も戦場と化している筈だ。ポーターたちもホールの清掃や来客を迎える準備に余念が無い。
 ちなみに、モクバはこの戦場から逃げ出した。ちょっと様子見てくる、と必要も無いのに本社へ向かったのが三十分ほど前――朝食の直後である。
「瀬人様、シェフがセラーへ入る許可を頂きたいそうです」
「セラー? セラーなら大門に任せているだろう」
「その大門さんが捉まりませんので。早急に、料理酒に使って構わないものが欲しいと」
「あぁ、解った、好きなものを持って行かせろ。大門には事後承諾でいい」
 あれもこれも、指示を仰ぎ、指示を出され、来客前が海馬邸のもっとも忙しい時間となる。気の置けない友人たちの集まりだが、パーティという形式を取る以上、普段のような迎え方ではドミネーゼの呼称が廃るというもの。そして使用人たちも、行事ごとは、普段の仕事よりきつかろうと盛り上がるものだ。
 結果、無駄に力が入った状態でパーティの準備は進んでいるのだった。
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「あ、おはよう遊星。今日は遊星の方が早起きだね」
「いや、ジャックが先に起きた。多分すぐ来る」
 いつまで乗っているつもりだいい加減重いわ、と横に転がされて遊星は起きたのだ。
 遊星の目が食堂を見回し、キッチンへのカーテンや食卓の上を経てラリーのところで留まる。何? と少年は首を傾げた。
「皆は」
「あー。早くに出てったみたい。書置きしてあった」
 これ。ラリーが遊星にメモを渡す。そこには、乱雑な字で『今日オレら八時からだからもう出てくな。昨日の残りちょっと貰ってったし。』と書かれていた。
「八時? 何でそんな早いんだ。いつも九時だろ」
「あれ? 年明けまで変則シフトだって言わなかったっけ? あ、そっか、その話した時遊星まだ寝てたんだ」
 ラリーは一人納得しながらキッチンへ入った。お腹減った、昨日の残りものでいいよね、と遊星に問い掛ける。しかし、構わんぞとの応えは遊星の後ろから返った。
「あ、ジャックおはよー」
「あぁ。……遊星、何を持っている?」
 問うだけ問うて、ジャックは答を待たずそれを遊星の手から取り上げた。一目見て、ふん、と鼻を鳴らす。
「何時に帰ってくるかを書いていないではないか。全く役に立たん書置きだな」
「だよね。いつもと同じ八時間かなぁ」
 三人分の朝食を乗せた皿を手にラリーが戻ってくる。遊星とジャックが食卓に着いた。
「あいつらが弁当に持っていったようだが、まだ大分余っているのか?」
「結構ね。未調理の合わせたらいっぱい。ジャック勝ち過ぎだよ、これで当分ご飯の心配しなくていいけどさ」
「ライフ差一ごとに百グラム分ものを持っていく条件でデュエルをしたら、少し圧勝し過ぎてな」
 重量を喰う缶詰やら酒やらまであったのだから、その圧勝振りを想像するのは容易い。
「日持ちするものはいいが、そうでないものはどうするか……」
 ジャックは朝っぱらからローストビーフを突付きつつ多過ぎた戦利品の処遇に頭を悩ませた。
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 朝、遊戯は奇妙な浮遊感で目を覚ました。
「んー、何? 今の」
 眠い目をこすり、スプリングの利いた寝台の上で身体を起こす。ぼよん、ぼよん、とマットが波打っているということは、浮遊感を与えた犯人はスプリングだ。スプリングがこんなに激しく揺れるということは、隣にいた海馬が寝返りどころでなく身体を動かした、つまり飛び起きたのだ。
「海馬君? どうかした?」
「……とだ」
「え?」
「今日は仕事だ! 寝過ごした!」
 言うなり、海馬は天蓋を飛び出した。ややよろめき気味に浴室へ向かう。
 遊戯は察知しなかったが、海馬は目覚ましの音で目を覚ました。目覚ましを止め、あぁ今日は出社かそういえば昨日遊戯に言わなかったな、とそこまで思って、昨日目覚ましを出社用に合わせ直さなかったことに気付き蒼白になったのである。
 気の利く執事は、当然のように今朝は部屋へ入ってこない。あまりに遅くなればメイドがノックをしにくらいは来るだろうが、そこから昨夜の後始末をしていてはもう間に合わない公算が高くなっている。
「海馬君海馬君、平気? 手伝おうか?」
「いいから服を着てシーツを剥いで部屋の方を片付けて帰――貴様ぁ、何だこれは! いつ付けた!」
「え? え? なんの……ああ! ごめんなさい!」
 ばたばたと遊戯は浴室の戸の前から寝室へ逃げ帰った。いつ付けた、と聞かれるようなことはあのあらぬ場所のキスマークしか思い付かない。やっぱり怒った、と身を竦めながら遊戯は皺だらけのシーツを捲り籠へ入れた。
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 海馬邸の一日は、凡そ六時に始まる。
「あぁ、これはきっと雪も積もっているわね」
 目覚めてすぐ、磯坂は今日の予定を頭の中で組み立てた。地下階の部屋に窓は無いが、今朝の冷え込みは常よりである。フットマンたちは昨日の予想通り雪掻きに精を出すことになるだろう。その辺りの指示を出すのは執事だが、その間に邸内は邸内でやらなければならないことが山と積まれている。今日は来客もあるのだ。磯坂は慌しく身支度を済ませ自室を出た。
「あ、磯坂さん。お早う御座います」
「あらお早う。もう指示が?」
 出くわしたフットマンはシャベルを抱えて苦笑した。
「雪が思ったより酷いらしくて。大門さんに急かされましたよ」
 仕事の速い執事である。フットマンと別れて、磯坂は女性使用人の大部屋の戸を叩いた。はーいと返事をして午前用の仕着せを着たメイドが顔を出す。
「お早う御座います。雪、積もりました?」
「みたいね。今日は久し振りに暖炉へ火を入れましょうか」
 磯坂の言葉に、彼女は部屋を振り返り「暖炉ですって!」と伝えた。雑用担当の若いメイドたちがそれに答える。他にパーティの準備や料理のこと、幾つかの指示を出し磯坂は部屋へ戻った。途中で靴に雪を付けた執事やワゴンを押すコック、警備主任の磯野と合流する。彼女と彼らは、一日の予定を話しながら他の使用人たちとは別に賄いを取るのだ。
「今日は何時に起きていらっしゃるかしら。昨日は遅かったのかしら?」
「私は八時前くらいかと。あまりゆっくりはされないでしょう。昼からご来客ですから」
「妥当ですな。ご来客といえば瀬人様の――」
 彼女らの話題の始めは、いつでも主たちのことである。
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「あークソ、さみいな」
 柄悪く吐き捨てながら、城之内は震える手で鍵を取り出し海馬邸の玄関扉を開けた。時間が時間なので使用人の応対は無い。一応警備にだけ夜勤のものはいるらしいが、屋敷本体ではなく詰め所からモニターで様子を窺っているに過ぎず、わざわざやってきて扉を開けたりはしてくれないのだ。
 出迎えが無いとやたら広いことが強調されるホールを抜け、二階への階段を上る。ホールも階段も常夜灯が点いているため真っ暗闇ではないが、ところどころに明かりの灯る洋館というシチュエーションは臆病心を持って見れば不気味である。城之内はそそくさと海馬の私室へ向かった。
 海馬の部屋にも常夜灯は点いている。天蓋の内にいると分からないが、夜中の出入りには便利なのだ。足元を照らす灯りを頼りに寝台へ近付き、天蓋を捲る。中には身奇麗な海馬が寝ていた。
「んだよ、自分で風呂入ってんじゃん」
 出て行く時散々「動けないのに放って行くなんて酷い!」と喚いていたにも関わらず。動けたとしても酷いといえば酷いが、そこは配達の時間が迫っていたのだから仕方ない。
 普段なら服のまま寝てしまうところだが、スーツでそれは躊躇われ、城之内は一式を脱いで椅子に掛けた。アンダーシャツとトランクスだけになって身震いをする。
「寒っ」
 天蓋をくぐって、城之内は海馬の傍に潜り込んだ。人の入ってた布団最高、と海馬に手を伸ばす。
 しかし、抱きかかえようとした腕は空振りに終わった。きゅっと丸くなった海馬が、城之内とは逆の方向に、まるで逃げるようににじり動いた――恐らく実際に、冷え切った城之内の身体から逃げた――ために。
「可愛くねぇ……」
 眠っている、無意識の行動とはいえ。むしろ無意識だからこそ。城之内が腹立ち紛れに無理やり引き寄せると、海馬はむずかるような声で唸った。
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 自分の上に覆い被さって寝ている遊星の髪をジャックは軽く引いた。
「夕方近くになって漸く起きてきたくせに、オレより先に寝るとはな」
 しかも圧し掛かったまま。完全に乗り上げられているわけではなく、遊星はそう大柄でもないので、大した重さではないのだが。むしろ心地好い重み程度である。
 その遊星の身体を、ジャックは何となく抱えてみた。背中に手を置き、熱っぽさの残る皮膚を撫でる。遊星が小さく動き、体内で動く異物の感覚に、ジャックは息を詰めた。
 圧し掛かったままどころか、挿れたまま寝られたのだ。前戯を飛ばしハイペースでまさに『搾り取られた』それは萎え切って、抜こうと思えば、思わなくとも少し体勢を変えれば簡単に抜くことができる。
 どうしてくれようかと、ジャックは自分の肩口に乗せられた遊星の頭を見た。
 遊星の髪は、ジャックが抱えたり引っ張ったりした所為で、ぐちゃぐちゃに崩れている。もはや、いったいどんな風にセットされていたのだか、見て取ることもできない。
「ふむ、まぁ、よかろう」
 その頭を見ていると、敢えて今身体を引き剥がすことは情の無いように思えてくる。ジャックは、何もせずに、異物を咥えたままの体勢で目を閉じた。
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 ピピピピピピ、と部屋に電子音が響き渡った。
「ぁん。な、に?」
「あー、時計だわ。オレの腕時計、そこにあんだろ」
 エンドテーブルに乗った音源を城之内が顎で指す。海馬が取って渡すと、彼は側面のボタンを押してアラームを止めた。
「もう、配達?」
「これ終わったらだな。早めにイけよー」
 言って、城之内は奥深く刺さっていた肉茎で内壁をぐるりとこすり回した。海馬が切れ切れの掠れた声で喘ぐ。
「ぁ、やだ、出ちゃう」
 回転にピストン運動を加えられて、海馬は既に白濁で濡れそぼった茎の先端から、新たな液を溢れさせた。とろとろと勢い無く始まった射精に、城之内がピストンの速さと強さを増す。
「あ、ぁあん、やだ、終わらないで」
「無茶、言うな、って」
 ぐいと腰を押し付け、城之内は小さく三度震えた。数秒経って、身悶える海馬の内から萎えた塊が引き抜かれる。
「んん……、……もう終わり、なんて。詰まんないの」
「お前なぁ。オレが何時間頑張ったと思ってんだ」
 身体を離し開きっ放しの白い足を閉じさせてやりながら、城之内は呆れたような脱力したような曖昧な息を吐いた。絶倫の淫乱とは性質が悪い。
「何時間って、三時間は経ってないじゃないのさ」
「普通は一時間も頑張りゃ充分なんだっつの。っと、あー、そういや服ねぇじゃん。スーツで配達所かよ」
 城之内がぶつぶつ呟きつつ脱ぎ捨ててあった服を拾い集める。その足が浴室に向かうのに、「ちょっとキミ、この状態で放置する気?」と海馬は不平を叫んだ。
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 ようよう酔っ払いのくだから開放され奥の部屋を訪れた遊星に、ジャックは飲み差しのグラスを軽く掲げた。
「あいつらはどうした?」
「ナーヴとタカは潰れた。ブリッツは潰した」
 答えて、遊星は部屋を見回した。古びたベッドの上に座るジャック以外、誰もいない。
「ラリーは」
「とっくに寝たさ。自分の部屋へ戻ってな。遊星、オレは待ち草臥れたぞ」
 ジャックが片腕を差し伸ばす。遊星は、ふらりと彼の許へ歩み寄った。
「漸く二人きりだなぁ、遊星。ここ数日お前は電球だの金属板だのに構ってばかりで、独り寝は大層に詰まらなかったのだが」
 腕を引かれ、バランスを崩しながら遊星は済まないと謝った。倒れ込んだ遊星の頭をジャックが胸元に抱える。
「よし、よし、許そう。だが謝罪が欲しいのではないぞ。分かるな?」
 ジャックの唇が遊星の耳を食み、指先が股間を撫で上げる。ぶるりと、遊星が震えた。それにジャックは恍惚とした笑みを浮かべる。
「無駄撃ちはしていなかったようだな。少し触れただけでこれとは」
「ジャックは」
「オレはしたさ。お前を想ってな。こうして――」
 遊星を開放し、片手で己の服装を乱しながら、ジャックはもう片手の指を口に含んだ。唾液に濡らし、そしてそれを背面から肛環に近付ける。
「く……あぁ、指を、うずめて」
 ぐち、と音を鳴らして指が動く。遊星は頭を抱えられていた時のように上体を傾げたまま生唾を飲み込んだ。
「尤も、指では独り寝の詰まらなさが、多少緩和される程度だったが」
「ジャ……」
「あぁ、何を呆けている? もの足りなかったと言っているのだぞ」
 早くソレを寄越せ、とジャックが足先で遊星の膨らんだ前立てを突付いた。遊星は頷きジッパーに手を掛ける。
「さぁ、この数日分全て、搾り取ってやろうではないか」
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